卒業生からのメッセージ

CATVレポーター
荒井依子 さん(旧姓:辻田)


早いもので卒業して16年も経っているのに、松蔭での生活が昨日のことのように感じられます。私にとって松蔭での6年間はまるで宴会のようでした。思い出すと常に毎日騒いで笑っていたように思います。
高校に上がってから私は生徒会役員に立候補し、H1では副書記になりました。生徒会役員全員で準備をし、体育祭や文化祭などをやり遂げた時の達成感に味を占め、H2でもまた立候補して今度は生徒会長になりました。
 この年は仲の良かった友達みんなで役員をしたお陰で一致団結して行事を進めることができました。ただそこでワイワイ騒いでいるだけではなく、組織の大切さや難しさを学べたように思います。

同時にH2では軽音楽部に属しており、文化祭前は生徒会としての準備と軽音楽部としてステージに立つ練習との同時進行で毎日遅くまで忙しくしていたのを覚えています。
さて、その頃からすでに私の中では旺盛な好奇心が芽生えていたのだと思います。大学を卒業後すぐに結婚、2年後に長男を出産してからは高校時代の眠っていた『何でもやってみたい性分』が目を覚ましたのです。

まず一つ目は、CATVのレポーターとして番組出演を始めました。普通に専業主婦として子育てしていたなら得られなかった貴重な体験を数々させてもらっています。

中でも印象に残っている番組を幾つか挙げますと、韓国を勉強する番組でチマチョゴリを着たり、去年お亡くなりになりましたが、ドラマ『不良少女とよばれて』の原作者の原 笙子さん宅へ伺い、女人舞楽の衣裳で舞を教えてもらったこと。登山をする番組では山上で突然の激しい雷に遭遇し、本気で死を覚悟したしたこと。あとは保育士として一日先生をさせてもらったり、芦屋市長との対談なんかもありました。どれも非日常的なことばかりですので楽しく出演させてもらっています。

そしてもう一つは、3年前から主人・息子とで空手を習い始めたことです。以前から何か武道はやってみたかったので、見学に行って即入門。先日、念願の初段をいただきました。黒帯になると、帯に名前が入るのでどうしても欲しかったのです。

でもただ『みんなのやっていないことをしてみたい』というだけではできないし、続かないものです。何事にもいえることだと思いますが、“頑張ったのだから結果はどうだっていい”という訳ではないと思います。結果に向かって一生懸命頑張るのは当たり前のこと。そこで安心してしまうのではなく、いい結果を出さないと頑張った意味がないと思います。

生徒会はみんなと協力したお陰で満足のいく結果を出せたと思います。
逆に空手では、初段をいただく型の大会で惜しくも準優勝になってしまい、今回皆さんにメッセージを書くきっかけとなってしまいました。

3年間、頑張って練習を重ねてきたのに優勝できなかった…。これは練習が足りなかった、という一言に尽きると反省しています。『準優勝でも上出来』…これでは私は納得できないのです。空手を習い始めた頃から黒帯になる時には優勝したい、とずっと思ってきました。
終わってからの後悔は今も続いています。

私は今まで何でもスムーズに進めてくることができたのに、準優勝しか取れなかったことで大きな屈辱と後悔を味わいました。たかが空手、と思われるかも知れませんが、目標に向かって頑張るということは他のものにも置き換えられる筈です。

松蔭生の皆さん。
今、何かに取り組んでいることがあれば後悔しないように一生懸命頑張ってください。そして納得のいく結果を出してください。後悔ほど虚しいものはないと思いました。

それでたとえ良い結果が出なかったとしても、そこで立ち止まるのではなく、次の目標に向かって進んでください。とにかく前へ前へと進める目標を常に持っていることが大切だと思います。私もまだ悔しさは残っていますが、次の目標を探している毎日です。

たった一度の人生…後悔のないようできることは何でもやっていきましょう!


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