2006年度 グリーンエコプロジェクト〜グリーンエコキャラバン隊

この日の様子は神戸新聞に取り上げられました。

最終エコイベント

グリーンエコプロジェクトの最大で最後の活動「神戸阪急でのイベント」は、自他共に認める、大成功だったと思います。小さい子供達は木の工作で遊ぶことで、自然とふれあうことができたし、大人の方は、熱心にプレゼンを聞いてくれたり、アンケートに答えてくれたり、環境メッセージを書いて下さったりして、環境について色々考えて頂けたと思います。(鈴置和音)


会場設営




集合は朝の8時。いずやんが吉野から持ってきてくれた切り株や環境ツリーやきのころとかを、全員で、イベント会場と搬入口を何度も往復して運んだ。開店まで2時間。時間はどんどん経っていく。それでもみんな自発的に動いてどんどん設営が進んでいった。
まず、受付ではアドバシを持ってきた人へのエコグッズ交換・割りばしのリサイクル等のコーナーを設けた。吉野の自然林保全に寄付するために、吉野の赤ひのき割りばしも販売した。
手作りパネルも9枚のパネルにびっしり埋めた。間伐材に親しんでもらうための、小枝工作コーナーやきのころ工作コーナーも準備完了した。また、来てくれた街の人にプレゼンをする時のスクリーンをきのころ工作コーナーのうしろに立てた。
プロジェクターを置いた机には、ポットも置いて、ひの喫茶と言って、来て頂いた方に、随時暖かいお茶を出していくことにした。切り株ベンチも用意した。
他にも、買い物袋STOPを目指そうという風呂敷包みコーナー、環境メッセージコーナーも用意した。環境メッセージをつるす環境ツリーと切り株ベンチは、吉野の森から伐りだした生木だった。ツリーはイベント会場のホールから少し離れた百貨店の入口に置いた。

そして、「間もなく、開店です。」という館内アナウンスが流れたとほぼ同時に、なんとか、会場設営が間に合った。
開店と同時に、担当のメンバーが百貨店前のプロムナードや神戸駅の方まで行って、大きな声で呼び込みをした。それでも、最初の1時間ほどは来てくれる人も少なかった。
少し不安になりながらも、予定通り、初回のプレゼンの時間が来た。マイクでプレゼンを始めますとアナウンスしたが、最初は誰も切り株ベンチに座ってくれなかった。それでも、自分達の思いを街の人に伝えることは、グリーンエコプロジェクトがずっと大切にしてきたこと。そこで、最初の担当二人が一生懸命プレゼンを始めると、お客様が少しずつ集まってきてくれた!気が付けば、立って見てくれている人も。
グリーンエコプロジェクトの集大成のイベントがスタートした!








各アクション


工作
初回のプレゼンが終わった頃から、イベント会場に人が集まり始めた。まず、最初に人が集まったのは、休みの日も家に集まって一生懸命準備した小枝工作。ここでの主役は子供達。
彼らには、理屈ではなく、木のぬくもりに触れたり、香りに包まれて、自然と共生することのすばらしさ、自然の大切さを実感してほしい。……工作コーナーにはそういうねらいがあった。
小枝工作と並んで大きなコーナーを設けたのは、いずやんが考案した「きのころ」というひのきの木片削り。もちろん、大人達も、きのころコーナーや、切り株の上で、きのころを削っていた。

また、この工作スペースの子供達の中に入っていって、有志が作ったハチドリ伝説の紙芝居を随時見せた。アマゾンの大火に対して、あきめずに、1滴ずつ滴を垂らしたハチドリのように、自分に出来る身近なことから始めようという思いを子供達に伝えたかった。


パネル
また、多くの方が手作りパネルで立ち止まって、いつまでも見て読んでくれた。ここまでの長い努力がここでも報われた。

街頭クリーンアップ作戦
11時には、有志で街のクリーンアップにも出かけた。最初はイベント会場周辺を清掃する予定だったが、飲食店街を通って、気が付けば、遠く、港まで到着していた。

アドバシリサイクル
間伐材から日本の森を元気にして地球温暖化ストップを呼びかけたアドバシ。飲食店で、これを手にして、少しでも環境への意識を高めてくれればそれで大きな意味はあったが、出来れば受付に回収箱を置いて、回収して、リサイクルしたかった。回収したのは、1280本!
このことは、当日会場に来てくださったNPOエコメディアファンデーションの野村充史様もHPに次のように書いてくれた。
→詳しくはこちら
生徒達は、イベント終了後、回収したアドバシを、水洗いして乾かして、王子製紙の徳島リサイクル工場に、郵送した。



環境メッセージと環境ツリー
また別のコーナーでは、環境メッセージを書くコーナーを設けたが、多くの方が、キャラバン隊の呼びかけに応じてくれた。書いてくれたカードは、その都度、キャラバン隊の担当メンバーがツリーまで持っていって、思いを込めてかけていった。
気が付けば、参加してくれた多くの方々のメッセージが、環境ツリーのそこら中に吊り下げられていた。ツリーは奇跡的に枝が満遍なく揃った吉野ひのきだったが、エコに対する多くの人の思いや願いを込めて、まるでクリスマスツリーのように輝いていた。




あふれかえる人、また人…こんなに来てくれるなんて

本当にお客さんが来るか心配でしたがお昼ごろから会場が溢れかえるぐらいの人でいっぱいになりました。今までの苦労と努力そしてこのプロジェクトに参加してくださったみなさんのおかげで成功したんだ!と改めて感謝と喜びの気持ちでいっぱいです。(藤永 純)



昼頃には、会場は人々でごった返す状態になった。工作を終えた小さな子供達までもが、一生懸命アンケートや環境メッセージを書いていた。これからの地球の環境をより良い形で未来へ残していくために、子供達の意識を少しでもたい。その思いが少しでも届いた。
また、ひの喫茶では、高齢の方が切り株ベンチに腰掛けて、お茶を飲みながら、プレゼンを聞いてくれていた。生徒達は来てくれた人、一人一人に、エコへの思いを込めて、可能な限り言葉を交わしながら対応していった。アンケートコーナーの横では、キャラバン隊が自主制作したエコ啓発ビデオを随時流していたが、そのビデオも好評だった。

受付も、昼過ぎには長蛇の列が出来た。
2時頃になると、ホテルオークラ神戸から松蔭高校生が観光ボランティアをして案内してきた観光客が会場にやって来たが、その頃にはもう、移動するのに一苦労するくらいの人で埋まっていた。


市民へのプレゼン


そして、このイベントで最も大切にしていたのはプレゼン。自分達の思いを社会の人に伝えることはグリーンエコプロジェクトのコンセプトでもあったから。プレゼン用スライドは、12月に教室で教えてもらった環境教室の内容を元にいずやんが監督してくれた。この3ヶ月、街中でのキャラバン活動を始め、実際に自分達の目や足を使って、自分なりに感じたこと、気付いたことを元に、この活動の最初に学んだことを、しっかり理解した上で、今度は、自分達が街の人達に伝える。さらには、これから私たちがすべきことをイベント会場に来てくれ人達に伝える。そして、出来れば、少しでも多くの人達が、エコに対して、ハチドリのひとしずくを注ぐような社会になってほしい。その思いで、イベント前にもしっかりプレゼンのリハを繰り返してきた。
プレゼンは発表者とパソコン担当の二人ペアで、毎時00分に、合計8回、延べ16人で行った。スライドは全部で35枚。その内容は、まず、地球全体の深刻な環境破壊の現状の説明。
「地球では1秒間にサッカー場1面分の緑が消えています。」「仮に海面が1m上昇すると、世界中で2億人が海面上昇で水没の危機にあり、このハーバーランドも海に沈んでしまいます。」と言った説明を、イベントに来てくれた人は真剣に聞いてくれた。
「酸性雨で変色した朝顔の写真」「ヒマラヤの20年前の氷河と、現在の氷河が消えた写真」等も食い入るように見てくれた。

次に、環境破壊の中でも、特に「地球温暖化STOP」のために、森林の果たす役割と間伐の大切さを述べた。すなわち、地球温暖化は、地球のまわりにガスがたまって熱が逃げないから起こる。そしてその原因は、主に二酸化炭素。そして、その二酸化炭素を吸収してくれるのは、手入れした元気な若い森。だから、間伐が大切。間伐材で出来たものを使うことで、エコを始めましょう。と呼びかけた。
そして、最後には、「地球温暖化 とっても大きな問題だけど、一人一人がまずできるところから行動していきましょう!」で締めくくった。






プレゼンは、本当に多くの方々が、時には吹き抜けの2階からも、足を止めて見てくれた。また、一方的にならないようにプレゼンの後には聞いてくれた人にインタビューもした。
切り株に座った方々は本当に真剣な眼差しで聞いてくれて、最後には大きな拍手をくれた。
こんな風にうまくプレゼンできたのも、今まで、Kiss FM神戸での出演やビラまき等、多くのキャラバン活動があったからだし、いずやんをはじめ、多くの方々に支えられてきたからだと、感動と感謝の思いでいっぱいになった。

(次は、森林ライターの赤堀楠雄さんの掲示板への書きこみから)
今日会場で取材した、来場者の声をご紹介しましょう。
「モザイクで食事をしたら、ここでイベントがあるって割り箸の袋に書いてあったので来ました。環境問題は、やっぱりひとりひとりの意識なんでしょうね。便利さの一方で、何かを犠牲にしなければいけないっていうのは難しいことだけど。でも、高校生が積極的に頑張っていて、本当にすごい! あんまり一生懸命にやってるから、つい聞き入ってしまいました。環境をよくするためのことって、ちょっとずつしかできないけど、私も買い物をするときにはカバンを持っていって、店からは袋をもらわないようにしています。今の話を聞いて、ああ、自分のやってることも、ひとしずくなんだなということを確認することができて、とてもよかったです」
私は「ああ、この人は仲間になったな」って思いましたよ。


生徒感想

(掲示板から)
・みんな、今日は朝早くから本当にお疲れ様でした。今日のイベントは本当にたくさんのお客さんが来て下さったし、大成功だったと思います。今日来て下さってたお客さん達はきっと環境への見方とかも変わったと思うし、私達の思いも伝わったんじゃないかなって思います。
・今日でグリーン皆での活動は終わっちゃうけど、一人一人のエコ活動は絶対続けて行こうね。私も出来る限り環境についてのことを多くの人に知ってもらいたいと思うからこれから出会っていったりする出来る限りの多くの人に今回学んで来た事を伝えて行きたいと思います!!
・お疲れ様でした。ほんとに充実した毎日を過ごすことができてグリーンに入ってよかったね。これからは袋は断れるようにお互いに頑張ろ!!伝説のハチドリのように、小さいことをちょっとづつ積み重ねて行こうね。
・大変な事もあったけど、みんなで力を合わせて1つ1つ壁を乗り越えていけて、私達でもやれば出来るって自信にもなったよね。また、皆で環境について語ろうね(笑)

(感想メッセージ)
・神戸阪急のイベントでは小さな子供たちからお年寄りの方まで幅広い年代の方々がたくさんきてくださって、3ヶ月間グリーンエコで学んだことや私たちの考えを本当にたくさんの方々に伝えることができました。普通の高校生では経験できないことを経験することができて、一生忘れられない思い出になりました。(グリーンウーメン班・H)
・環境問題は、そう簡単に解決できる問題ではないけれど、一人一人の意識で少しずつでも解決してくことと、一人ずつのひとしずくが大切だと言うことを心に留め、これからもグリーンエコを続けて行きたいと思います。(鈴置和音)
・活動期間が長いプログラムだと、今まであんまり喋ったりしなかった子とも仲良くなれたりしたので良かったです。また、グリーンは学校の子以外にもたくさんの人と関わりが持てました。
本当に期間が長い分思い入れもあったし達成感がありました。
参加する前の自分と今の自分を比べてみると、本当に環境に対しての意識か大きく変わったというのが自分でも良く分かります。いままで何気なくしていたことにとても敏感になったり、自分の生活が変わったということはすごい事だと思います。
自分が変わることによって家族の意識も少しずつではあるけど変わってきています。こういう風にして世界中の意識を変えられたら…と思います。そのために私自身も行動して周りの人々を少しずつでも変えたいと思っています。
このグリーンエコキャラバン隊に入って、本当にたくさんの方々にお世話になったり…松蔭でしか無いこのプロジェクトに参加できたことを誇りに思っています。ありがとうございました。(西村美佳)
・大変な事もあったけど、みんなで力を合わせて1つ1つ壁を乗り越えていけて、私達でもやれば出来るって自信にもなったよね。また、皆で環境について語ろうね(笑)

お世話になった方々からのメッセージ

・野村充史様(NPOエコメディアファンデーション)
みなさん、ご苦労様でした!想像以上に素晴らしいイベントでした。生徒さんの献身的で誠意あふれる姿に感動しました。みなさんのメッセージは確実にたくさんの人に届きましたよ。みなさん、本当にすごいなぁ。アドバシが少しでもお役に立てたならうれしいです。ありがとうございました!
・赤堀楠雄様(森林ライター)
みなさん、本当にお疲れさま。とってもいいイベントでした。みなさんが一生懸命がんばっている姿を見ていて、何度も心を強く揺さぶられました。みなさんがグリーンエコで得たことは、まだまだ大きく発展する可能性があると思います。
・木村全邦様(森と水の源流館)
今回のプロジェクトはお世辞抜きにすごかったです。色々な環境イベントを見てきましたが、私が見てきた中でもトップレベルのムーブメントをおこしたイベントでした。すばらしい活動に出逢えて本当に感謝しています。ありがとう。
みんなの活動は確実に環境市民を育て、確実に地球環境をいい方向に向かわせました。
これは終わりではなく、始まりだと思っています。
川上村のブログもご覧ください。
・そして、この活動で本当にお世話になった泉谷繁樹様(泉谷木材商店)
高校生活の最後でチャレプロという素晴らしい経験の舞台が与えられ、皆さんが体験されたことは、全国の高校生が体験したことの無いほど崇高で、しかも難易度の高いことでした。それを協力しながら自発的に乗り越えられた皆さんに、本当に敬意を表します。素晴らしい!!
25日当日は家族や友人も参加しましたが、皆さんの熱い想いがひしひしと伝わってきたと言っていました。自分たちで工夫して協力すれば、市民にこんな感動を与えることができるんだね。この経験を大事に、これからも頑張ってください。
*なお、泉谷繁樹様のブログもご覧ください。(写真もあります。)

そして、人波の中、気が付けばイベント終了の時間が来た。このイベントはあくまでも通過点。ただ、通過点とは言え、グリーンエコキャラバン隊は、このイベントを持っていったん解散する。イベントの最後には、全員が整列して、中には涙混じりで、街の人に向かって挨拶をして締めくくった。
グリーンエコの活動は活動日も多いし、大変なこともたくさんあるけれど、それ以上に楽しいことや、普段では体験できないようなすごいことができたので参加することができて本当に良かったと思っています。3ヶ月やり遂げたあとの達成感や充実感はほんとにすごかったです!! (グリーンウーメン班・H)

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