2006年度 | グリーンエコプロジェクト〜グリーンエコキャラバン隊 |
ハーバーランドでのエコイベントが大成功したすぐ次の日、グリーンエコとしては本当に最後の活動として、県庁まで出向いて行った。井戸敏三兵庫県知事に報告に行くために。
朝から集まった代表6人はみんな、昨日の興奮と疲労からか、寝不足の顔で現れたが、同時に、1000人以上の入場者に、エコへの意識を少しでも変えることが出来た自信と達成感にも充ちていた。それと、集まればもう自然と、エコに関する話し合いになった。県庁のロビーのソファに倒れ込むように座りながらも、すぐに、知事へ話すことの整理を始めた。 しばらくして、県の広報課の方に案内してもらって、エレベーターで六階へ。大きな自動扉の向こうに大きな部屋が並ぶ。グリーンエコキャラバン隊が通されたのは、その中でも特に立派な知事の応接室。椅子といい机といい、すごく立派だった。部屋の中には、何人もの県の方々が座っておられた。緊張が走る。待つこと10分。知事が現れた。 ビデオが終わると、再び知事への活動報告をおこなった。そして、最後に、自分達が住民の方や企業の方等の中に入っていって気付いたことを踏まえて、以下のようなことを知事に訴えていった。 |
「まず出来るところからしよう」というのは私たちのコンセプトで、それはアマゾンのハチドリ伝説からヒントを得ました。詳しくは三宮駅で2000部配布した冊子にも書いています。…と言う生徒達に対して、知事は、冊子を手に伝説の中身を読んでくれて、この伝説をコンセプトとして活動してきたことを絶賛してくれた。 また、環境アクションを県民に広めて行くには、具体的な数値を提案したらそれもいいよとかアドバイスもくれた。 |
知事は、吉野での合宿のことを聞いてくれた後、兵庫県でも、県民税の6%は間伐座等、森の整備費用に回しているんですよとか教えてくれた。 アドバシに関しても、これも、手に取ってじっと眺めながら、どういう風に企業の協賛を取ったり、どこで作ったのかとか、どこにどれだけの膳数を置いたのかとか、すごく面白いアイデア商品だねとか尋ねてくれた。 |
グリーンエコは、最初ある科学館で子供向けに環境啓発イベントもする予定だった。しかし、間伐材を通して環境啓発することは小学生には難しいと断られた。もちろん、グリーンエコプロジェクトでも、最後のエコイベントでは、1300本近くの割りばしを回収し、リサイクルに回した。ただ、リサイクルをはじめとする3Rだけが環境教育だろうか。 たとえば、昔の人々は、里山の中で、薪を切り出して、生活の中で自然をうまく使いつつ、適度な節度と、自然への畏怖の念を持ちつつ、自然と共生して生きてきた。確かに、植林は大切。自然林を切ってはいけないことも事実。ただ、いったん人間が植林してしまった人工林は、常に間伐し、枝打ちし、そう言う整備があってこそ、その後に、植林する意味が出てくる。 「人間が自然を守るなんておこがましい。人間が自然に守られてるんだ。」これは、吉野の山の達人の言葉。 環境教育は自然を守ることや3Rだけではなく、自然との共生のあり方に気付くことも同じだけ大事。それに、開発消費の現実の社会を考えた時に、自然を守ると言う意識だけでいいのだろうか。 そのことを長い活動を通して実感した生徒達の言葉には説得力もあった。 知事も、県の学校は、たとえば、小学校で、(リサイクルだけでなく)カボチャを育てて、食から環境の大切さを学ぶ教育とかも始めているとか教えてくれた。 県知事訪問はすごく緊張したけど、井戸県知事はきさくな方で私たちの話もよく聞いてくださってお話しすることができてよかったと思います。兵庫県も間伐に力を入れていることや、小学生の環境に対する教育について話してくださいました。(グリーンウーメン班H) 相手は兵庫県知事。でも、あれだけのキャラバン活動をした生徒達には、行政に訴える資格があった。実際、最初部屋の中に張りつめていた緊張した空気の中で生徒達は、次々と本当にしっかり知事に訴えていくことが出来た。 |
外に出ると、もう春の陽気が感じられた。長かった活動もこれで本当に終わり。とは言え、それは、高校生としてグリーンエコキャラバン隊のメンバーで活動するのが終わりと言うことであって、彼女達の活動はこれからも続く。そして、市民として責任を持って生きていくことになるだろう。周囲の人々にも呼びかけつつ、エコに対してどこまでも身近なエコを続けていくことで、、、
「この活動が終わったとしても、環境問題に対して意識し続け、これから先大人になっても、自分に出来る身近なエコをしていきたいと思います。」(Kiss-FM KOBEでの生徒の言葉から) |
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