2006年度 グリーンエコプロジェクト〜グリーンエコキャラバン隊

▼この日の様子は読売新聞・神戸新聞に取り上げられました。
読売新聞(2/18)はこちら、神戸新聞(2/18)はこちら、をご覧下さい。


市場アクション

アドバシが到着し、神戸の街のあちこちに配布された2月16日(土)からの約1週間を、グリーンエコキャラバン隊はグリーンエコウィークと呼んで、最後のキャラバン活動を集中的に行った。アドバシの配布と店への訪問、Kiss-FM KOBEでの特別番組ON AIR、校内での割りばしリサイクル、そして、ハーバーランドでの大きなエコイベント、県知事への最終報告。その1週間の最初に起こしたアクションがこの市場でのエコイベントだった。


場所は、学校から歩いて10分ほどの所にある大日市場。
ここは高齢者が多く、普段、人と話すこともあまり無い。まして環境について考える機会はほとんど無いと聞いていた。でも、だからこそ、そんな地域の方々に、この機会に自分達がアクションを起こすことで、エコについて少しでも興味を持って頂きたい。そして、もしも、こういう方々に食卓でアドバシを1日でも使って頂ければ、それこそ、生活の中での身近なエコアクションを伝えることになる。そういったことが、この市場アクションのねらいだった。
到着すると、城戸さんという市場の役員の方が、わざわざ立て看板を出してくれていた。ハーバーランドでのエコイベントに使う、グリーンエコキャラバン隊のポスターも用意していったが、城戸さんの心遣いに感謝して、その立て看板を使わせてもらうことにした。
また、このアクションに先立っても、何度か事前に交渉や打ち合わせに行ったが、その時に、城戸さんから、あなた方の先輩達はこの市場でとても素晴らしい活動をしてくれたんですよって何度も教えてもらった。たとえば、小学生の放課後預かり隊、老人ホームへの出張市場、修学旅行生の案内…その中の何人かの方は大学生になった今も、城戸さんとボランティア活動をしているという。あの人達の後輩なら間違いないです。そう言って、グリーンエコのイベント案に関してもすべて快諾してくれた。チャレンジプログラムでは、先輩方の活躍が地域や企業の方達への信頼を生み、それが後輩達への活躍の場所につながっていく。そのことも実感した。そして、今回は、自分達が後輩達に何かを残せるようにがんばろうと思った。
ただ、震災以来、大型スーパーの進出で、この市場も壊滅的な影響を受け、人通りも少なくなっていた。たとえ土曜日でも、日によっては、1時間に数えるほどしか人は来ないかもしれないと、事前打ち合わせの時に聞いていた。それだけに、自分達が一生懸命活動することで、地域のコミュニティーの活性化にも貢献したいと思った。

イベント内容としては、
(1)アドバシを市場の各店舗に配布して回る。 
(2)震災で空き店舗となったスペースに、ひの喫茶を開き、きのころ削り、エコパネル、エコ風呂敷体験、自主制作ビデオを流す。
(3)独居老人の食事会に行ってアドバシを配る。
といった内容だった。


アドバシ配布

この日の市場での活動はサンフラプッチ班が担当した。その日は、アドバシが神戸の街にはじめて出回る日で、他のいくつかのチームも街中でアドバシを置いてくれた店舗の訪問とかをしていた。市場でも、アドバシの配布は欠かせなかった。

市場は街のレストランとは違い、その店でその場でお使いくださいというのではなかったが、肉屋さんにしても魚屋さんにしても、買って頂いた商品にアドバシを付けて頂き、家の食卓でこのアドバシで食事をしてもらうよう呼びかけてくださいとお願いした。出来れば、その時にエコの話を少しでもしてもらえたらと、自分達がどういう思いでどういう活動をしてきて、今なぜ間伐の割りばしがエコへの小さくて大きな活動につながるのか、そして、間伐わりばしで、日本の森を元気にして、CO2削減、地球温暖化ストップ!と一生懸命訴えていった。花屋へも、果物屋へもたずねて行き、お客さんにこのアドバシを勧めてくださいとお願いして回った。
単に置いていくだけでは意味がないと思っていたので、こうして、一軒一軒たずね回って、言葉を交わしながら置いて頂くようにした。結局、20店舗を回って、総膳数2000膳を受け取って頂いた。全体の7万膳からみたら一部にすぎなかったかもしれないが、市場の方々は本当に一生懸命聞いてくださって、逆にいろいろ励ましてくれた。


ひの喫茶

一方、アドバシ配布と併行して、震災で空き店舗となったスペースに、自分達のエコイベント用の店を開くことにした。店の名前は、ひの喫茶。
この日の集合は朝の9時。10時の市場のオープンまでに、大急ぎで店を作った。行き交う人の年齢層を考えて、高齢の方に喜んでもらえるような内容にした。きのころ削り、エコに関するパネル、エコ風呂敷体験、自主制作ビデオ。もちろん、ここでもアドバシをプレゼントした。
『人通りは少なかったし、寒かったけど、お箸をもらいに来てくれたり、お友達にも教えるって言ってくれる人がいたり、しばらくして戻ってこられて、私達のために差し入れを買って来てくれたおばさんもいらっしゃいました!!』(掲示板の感想から)
買い物袋じゃなくて、これからはエコふろしきですよと、買い物からの身近なエコアクションを勧めて、覚えたばかりのいくつかのふろしきの包み方を披露する生徒に、逆に、おばあちゃんの方からいろんな包み方を教わったりした。きのころ体験も楽しんでもらえた。



老人食事会へ

昼には、市場から少し離れた独居老人たちの昼食会に行って、そこでもアドバシを配布した。生徒達から受け取ったアドバシを老人の方々はお守りのように手にして、楽しそうに話をされていた。

毎日、ほとんど人としゃべることもなく、1日に1回市場に来て話すことを楽しみにしている方がいること、独居老人の方たちが昼食会の1時間以上前に来る理由が、人には迷惑をかけないようにと言うことをいつも考えているからだということ、こういう地域の孤独な方々を地域の多くの方々がボランティアで支えていること、市場をはじめとする地域のコミュニティーの大切なこと……この昼食会では、エコ以外に学んだことも多かった。

事前の打ち合わせで聞いていた通り、ひの喫茶に来てくれた方は決して多くなかった。でも、参加してくださった方々は、まるで子供のように喜んでくれたり、環境パネルを食い入るように見てくれて、温暖化ってテレビでよく言ってるねとか、関心を持ってくれた。もちろん、改良すべき点(ヒント)も見えた。ただ、イベントで街の人達にエコを訴えていく時に、何が大事かが見えたようにも思えた。
『市場の方達はとても温かかったよ〜!25日の参考にもなったと思います』と言うように、
地域の中で、生きた人間関係の中でエコについて思いを述べたり、逆に励まされたり、感謝されたり……1週間後のハーバーランドでのイベントは街の真ん中で、来てくれる人も多いだろう。でも、市場で体験したこういう温かさを大切にして、精いっぱいがんばって、すばらしいイベントにしよう。
そう言う思いで、市場を後にした。ただ、その前にすることはたくさんあった。(写真は、最後に、アドバシを使って、昼食をとっているところと、城戸さんと神戸市の環境局の方との写真。)



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