2006年度 グリーンエコプロジェクト〜グリーンエコキャラバン隊

吉野合宿

企画会議

そして、1月、調査研究と併行して始まったのが企画会議。
グリーンエコプロジェクトの活動は多岐にわたったが、それらの各活動計画を、時には班単位で、時には全体で毎回長時間、話し合った。
その際、プロジェクトを遂行していく上で必要なのは、まず「志」。次に努力。そして、役割分担、ということで、18人が、Ecoる福娘・グリーンウーメン・サンフラプッチ・緑部という4つのチームに分かれ、キャラバン活動に向けての各種準備や、エコイベントの準備は責任分担して活動していった。

感 想:
毎回意見のすれ違いでなかなか前に進まず嫌になったことも何度かありました。でもこの企画会議を乗れ超えたから2月25日のイベントが成功したんだと思います。班のメンバーとはキャラバン隊全員集合日とは別の日に集まって色々相談したりもしました。(藤永純)

毎回毎回、たくさんの議題があり、正直、めんどくさくなったり、いやになったりすることもありましたが、みんなが頑張ってるのを見ることで、自分もやる気を出すことが出来ました。自分達の班だけでなく、グリーンエコのメンバー全員で話し合うことで、たくさんの良い案が出て来るので、とても大切な活動でした。(鈴置和音)

2月25日のイベントに向けて皆で市民の人々にどうやって今の環境のことや私たちの思いを伝えるかを考えていくのは、とても大変な事だったし、皆の意見が合わなかったりもしたけど、企画会議というのが一番準備段階で大切なことだと思うし、皆でこうしよう!と決まったときには皆笑顔になれたのがよかったです。(西村実佳)


企業への働きかけ


神鋼環境ソリューション様への働きかけ

自然や社会に目を向け、その中で見つけた課題の改善に向けて自分達の力を合わせて、積極的に社会の中に入っていって、社会や人々の心を動かしていこう。…
これは松蔭高校チャレンジプログラムの趣旨の一つだが、グリーンエコプロジェクトは、そのチャレンジプログラム6年間の成果を踏まえて、企業・店舗のみならず、NPO・放送局・その道のプロの方等々、今までの日本の学校では無かった規模で、社会と連携して、社会の中で、自分達の思いを伝えていった。
企業との関わり方も、単なる職場体験や見学などとは全く違い、社会に受け入れてもらうのではなく、自分達の思いを伝えながら、大企業や社会までも動かしていき、多くの企業・団体・店舗から協力協賛をしていただくことになりました。

具体的には、

【1】NPO法人(エコメディア・ファンデーション)の協力を得て、アドバシ(広告入り国際間伐材の割りばし)約7万膳を製作した。
【2】協賛企業(JTB西日本・ローソン・日新火災・ミドリ電化)を探し、アドバシの制作費(総額60万円)を協賛してもらった。
【3】市内の53店舗にアドバシ(約7万膳)を置いてもらった。→神戸最大の複合商業施設(ハーバーランド)31店舗、ローソン直営店、地域の市場20店舗、県庁食堂等。
【4】地元FM放送局(Kiss-FM KOBE)に4日間の特別番組(グリーンエコウィーク)を組んでもらった。
【5】企業(神鋼環境ソリューション・木村)に特別放送の制作費(総額60万円)を協賛してもらった。
【6】百貨店(神戸阪急百貨店)に、市民へのエコ啓発を目的とするイベント会場として、中央吹き抜きスペースを提供してもらった。
【7】団体(吉野の森と住まいのネットワーク)に、イベント会場設営の協賛協力をしてもらった。


企業への働きかけは、時には会社訪問をしたり、時にはメールのやりとりをしたり、時には教室から携帯電話をかけたりして進めていった。

冒頭の写真は神鋼環境ソリューションの本社に行って、企業のトップの方に、自分達の活動の思いを述べ、FM番組の協賛のお願いをしているところ。企業の方々は生徒達の話を真剣に聞いてくれて、逆に、会社が取り組んでいる環境保全活動の話をスライドで説明してくれた。
時には、企業の環境推進部署の方が学校までこられることもあった。日新火災やローソンさんのように、わざわざ東京から神戸まで来られることもあった。
アドバシ作成に関する協賛をお願いするために、生徒が作った原稿(抜粋)はコチラ

協賛、協力して下さった企業様への挨拶訪問は、初めは、緊張して、話す内容を忘れてしまったりしましたが、何度も挨拶をすることで、上手に話すことができるようになり、社会に出て行くためのとても良い練習にもなりました。みなさん笑顔で私達の話を聞いて下さって、真剣に質問などもして下さり、社会に出て活動していると実感しました。(鈴置和音)

このように社会の方への働きかけは、いつも緊張するものだったが、協力や協賛をいただくことになった時は、生徒達はとても喜んだ。中には、日新火災さんのように割りばし製作の資金協賛だけでなく、エコふろしきやエコバッグを大量にくれたり、神鋼環境ソリューションさんのように、企業訪問の1週間後には、蛍光灯リサイクル工場の中まで入らせてくれたりした。

普段何気なく使っている蛍光灯も、その中にはわずかとはいえ、水銀が含まれていて、それが、廃棄物として埋め立て処分されている。蛍光灯リサイクルは単に見学しただけではなく、学校に戻るなり、校内の蛍光灯をリサイクルすることを校長先生に訴え、しばらくして、年間500本出るという廃棄蛍光灯のリサイクル処理が決まった。


キャラバンアイテム作り


環境への思いを世間の人達に伝えていこう。そのために、必要なことは、二つあった。
一つは自分達の環境への思いを、直接自分達の声で訴えていくこと。企業への働きかけから始まって、ビラ配り・FM放送・市場でのアクション・百貨店でのエコイベント等々…
もう一つは、訴えていくためのアイテムを作ること。そこで、ビラ配りで言えば冊子・エコクイズ・アドバシが置いてある店のMAP作り、FM放送で言えばメッセージCM作り等々。
アイテム作りは、他にも、アドバシ袋デザイン・啓発ビデオ・アンケート・ロゴ・バッジと多岐にわたったが、各班、責任を持って一生懸命取り組んでいった。

まず、アドバシ。アドバシとは、国産の間伐材で作った割りばし。「環境という大きな問題に対して、身近な生活で実践できる環境保全活動を、広く市民に訴える。そのために、二酸化炭素(CO2)をたっぷり吸収する元気な森づくりを目指し、身近な国産間伐材の使用を訴えていく。」このグリーンエコキャラバン隊の活動趣旨にアドバシは欠かせなかった。少しでも多く作成し、各種イベントと連動して神戸市内のあちこちに置いてもらうことを目指した。
ただ、そのためには、わりばしの袋に企業の広告を入れて、その広告収入で、中国産の安い割りばしとの価格差を埋める必要があった。そこで、Advertisement(広告)+Waribashi!
だから、生徒達は、ローソンをはじめとして、企業に積極的に広告協賛を働きかけていった。

さらに、それと併行して、アドバシを開発したNPO団体のエコメディアファンデーションの野村様に、教室から東京まで携帯で電話をして、いろいろ教えてもらい、袋のデザインも自分達で作成することに挑戦した。




しかも、これは、班ごとに担当するのではなく、全員が冬休みの間に、エコへの思いと、協賛企業の広告価値の両面を考えて表も裏もデザインしてきて、それを、エコメディアファンデーションのプロのデザイナーの方達と協賛企業の方達に、コンペ形式で選考採用してもらうことになった。
たとえば、JTB西日本のアドバシ袋は激戦の末、Oさんの考えたデザインが採用され、最終的にはプロの方に微修正してもらった上で、商品となって店頭に並ぶことになった。


掲示板から:
・こんにちは。アドバシの野村です。昨日は生徒のみなさんと直接携帯でお話しできて、とても良かったです!みなさんの誠実さ・礼儀正しさ・一生懸命さには驚きました。素朴な質問にやや緊張してしまい、うまく答えられなかったかも〜と少し反省しています。
で、アドバシの「色」についてですが、今回使用できる色は2色です。例えばグリーンと黄緑とか3色に見えたりするものは、この掲示板で例えると「グリーン地に白い文字」のように、地色を「白く抜く」というやり方になります。白いインクを使うわけでなく、もともとの紙の白い色をくりぬいて残しているっていうわけです。
テーマカラーはやはりグリーンかな?でもね、「エコだからグリーン」という先入観は一度捨てて考えてみるといいですよ。そうすると、デザインはもっと自由に考えられますから。そうそう、固定概念や先入観って、縛られてしまうからね。エコの活動全体でも、そんな自由で楽しい発想をしていくといいです。みなさんの想像力と創造力、とっても楽しみにしています!(エコメディアファンデーション野村充史さん)

・先日はお忙しい中、携帯での私達の質問に答えていただき、ありがとうございました!最後に質問させていただいた、鈴置和音と申します。アドバシを考えだされた野村さんは本当にすごいと思います!私達も一生懸命エコについて学んで、私達に出来ることを探して、頑張りたいと思っていますので、また、色々と教えてください!野村さんのアドバイスを元に、固定観念や先入観に縛られずに私達らしいアドバシを作ります!(鈴置和音)

・こんにちわ!!一番最初に電話で質問させていただいた、阿部茜衣です☆色のアドバイス、ありがとうございました☆私の中ではやっぱりグリーンエコやから、『緑っ!』って思い込んでしまっていたので、とても勉強になりました!頑張って利用者の方々の目に止まるアド箸をデザインしたいと思います♪ (阿部茜衣)

・野村様、昨日は私たちのために、お仕事中にいろいろ教えてくれてありがとうございました。みんな、携帯電話の向こうで何が話されているのか、息を凝らして待っていました。掲示板でもこうして教えてくださりありがとうございます。アドバシってすごいと思いました。そう言うアイデアがすごいです。私たちも頑張って、街の人達に、環境の思いを伝えるので、またいろいろ助けてくださいね。まずは、この冬休みは調査研究がんばりま〜す!さっきまで、アドバシの野村様のページを見に行ってました。アドバシのデザインも頑張るけど。 (匿名)


次に、啓発ビデオ作り。
内容は、環境破壊に関するエコクイズ、ハチドリのひとしずく、木づかい運動、森林の恵み、間伐の大切さ、グリーンエコキャラバン隊の活動紹介、身近なエコ活動、アドバシの勧めといったこと。
その製作は思っていたよりも大変だったけど、エコに関する思いを市民に伝えるには、ビデオが欠かせないという思いで、みんなで力をあわせて、ドキュメントタッチともドラマ仕立てとも言える構成で5分にまとめた。
実際、このビデオは、校内での下級生へのプレゼン、市場でのアクション、百貨店での大勢の市民を前にしたイベント等で、予想以上の効果を上げた。

ビデオがイベントやキャラバン活動当日に使う上で欠かせないとしたら、活動前に、活動自体を街の人達に少しでも知ってもらう上で欠かせなかったのが冊子。
内容は、活動の思い、日程、森の恵み、間伐について・エコクイズ・アドバシが置いてある店舗のMAP等々。
ただ、この冊子作りは、各ページをチームで分担したに関わらず、予想以上に大変だった。2月3日(土)には三宮・元町に2000部ほどを配布する。管轄の警察署に路上許可願いも取っていたし、時間との勝負でもあった。

そんな中、グリーンエコキャラバン隊が活動で使っていた教室は、他学年が授業で使っていなかったので、気が付けば、年輪や、きのころ(ひのきの端材を利用した工作)や、環境パネルや、各種イベント向けのグッズで埋まっていった。そして、その木の香りがする教室はいつしか「グリーンオフィス」と呼ばれ、1月も後半になると、そこで、誰かが、どこかの班が、毎日のように学校に来て活動するようになっていった。そして、さらに、活動は、時にはパソコン教室、時には図書館、など、あちこちで行われるようになっていった。

また、有志によって、ロゴ作りやバッジ作りもした。そのデザインは、アマゾンの「ハチドリ」の伝説からヒントを得た。地球環境を始め、どんなに大きな問題に対しても、まずは自分に出来ることから行動しようと言う、そんなこの活動の思いをこめて。

 




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