イエローアーツキャラバン隊ロゴ 2006年度 ホスピタルアート〜イエローアーツキャラバン隊
このプログラムの様子読売新聞に取り上げられました。

くわしくはこちらこちらをご覧下さい。

昨年度、全国ではじめて行った高校生による『ホスピタルアート』も、今年で2年目を迎えました。
病院を快適な癒しの空間とし、患者さんの心を少しでも癒そうと、「心温まるもの」というテーマを決めて、みんなで考えて、そして、力をあわせて、羊毛から縦横3メートル近くの巨大なフェルトを作り、病院に届けました。タイトルは「HEY!輪」。
昨年制作した立体モビールとは変わって、今年はフェルトの壁掛けです。その美しい作品を病院に持っていくまでの生徒達の素晴らしい軌跡を紹介します。
ダイジェストビデオ

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話し合い

・学習会・テーマ決め
まず、ホスピタルアートについて先生から説明を受け、その後、病院にアートがあることや、アートが社会について果たせる役割等について考えました。
次に、このプロジェクトに込めたい思い(コンセプト)について考えました。そして、話し合って「心温まるもの」というテーマを決めました。
最後に、フェルト作りに始めて挑戦。羊毛をちぎって石けん水をかけて、手でこねると、フェルトのボールが出来ました。
これからの活動はそんな生易しいものじゃないけど、がんばろうと言う気になった1日でした。


・デザイン決め


冬休み、それぞれが、「心温まるもの」というテーマについて考え、その考えにそってデザイン画を書いて、1月に持ち寄りました。いろんなデザインが出たけど、みんなの案をまとめて右のようなデザインに決定しました。カラフルな色彩の中、母親が子どもを抱きしめていて、多くの人が手に手をとって青い地球の周りを囲んでいる。「心温まるもの」というテーマにそっていて、みんなのデザインをうまく合わせた素敵なデザインだと思いました。

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作品制作

・人型制作


テーマを決めて、デザインも決めた後、まずは地球を囲む16人の人型作りから制作を始めました。心温まるように色とりどりにしました。繊維がよくからみあうように、ビニールをかけて上からこすりました。そして、最後は型紙にそって切って出来上がり。とてもカラフルで、人型は皆、まるで話し合っているように見えました。

・羊毛を重ねて、石けん水をかけて


人型作りでコツをつかんだ後は、いよいよ作品本体部分の制作にかかりました。今年も、羊毛からフェルトを作っていきました。薄くちぎっては、縦、横、縦、横……と何重にも羊毛を重ねていきました。大きなフェルトの布を1枚作るのでは最初は気の遠くなるような気がしましたが、みんなで取り組んだ結果、気がつけば、ヒツジの毛で出来た真っ白のふかふかじゅうたんみたいになっていました。それを、机からおろして、床いっぱいに広げて、みんなで囲んで石けん水をかけて、繊維を縮めていきました。下地に、青い地球の部分ものせて手でこすって下地の繊維とからませて本体を作っていきました。

・足で踏んで、繊維を絡ませて
去年は立体モビールで、各パーツ(動物)ごとに制作しましたが、今年の作品は壁掛けで、そのサイズは縦横3m近くの大きさ。普通なら、手でこすったり、麺棒でゴロゴロ転がす作業を、ビニールをかぶせた上から、みんなで足で踏みしめたり巻いた上を、これまた足で踏みしめてフェルト化していきました。


・ミニプールですすいで
石けん水のすすぎだって、ダイナミックに行いました。中庭に子供用のプールをふくらませて、その中ですすぎました。冬の小雨も降ってきて、水は冷たかったけど、一生懸命すすぎました。その後、何日か乾かして、しっかりした羊毛でできた大きなフェルトの布が出来上がりました。


・各パーツを縫いつけて
壁掛けの下地が出来上がったら、次は、地球の目や、人型、そして、心温まるものを伝えたくてデザインした母子のハートの像といった各パーツを縫いつけていきました。「HEY!輪」というタイトル通り、みんなで朝から夕方まで、輪になって作品を取り囲んで、仕上げていきました。壁に掛けられるように裏地も付けました。平行して、患者さんへプレゼントするフェルトボールも作っていきました。そして…



・ついに、完成!
とうとう作品が完成しました。病院へ持っていくまでの二日間だけ、学校の玄関に飾ったり、みんなで輪になって写真を撮ったり、作品の裏にそれぞれの思いを書いたりしました。『最初は、イエローキャラバン隊は美術系だから私には無理って思ってたけど、やってみたら、美術的センスが無くても、心を込めて作ったらいい作品が出来るんだってことに気付いて楽しくなっていきました。単純な作業もあって、大変な時もあったけど、最後に出来上がった作品を見た時はそれをこえる何かがありました。このメンバーと出来て良かったです。そして、先生、ありがとうございました。』(近藤絵里)


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病院へ

・壁に掲げられた「HEY!輪」
そして、2月27日、病院へ持っていって、お披露目する日が来ました。みんなで抱えて歩いて持っていきました。病院の方と壁に掲げる時は、うれしかったし、どきどきしました。無事掲げられた時にはみんなそれぞれの思いで立ちつくして見つめました。
『みんなで一つの作品を作ってとても心が温まりました。周囲の人を温かくするはずが自分まで癒されました。このメンバーでしかできないことが出来て満足です。』(木村彩乃)
『はじめは完成するのか不安だったけど、日にちを重ねていくうちに、みんなと仲良くなったし、チームワークも良くなって、完成した時にはみんなで泣きました。』(佐藤聖華)
『一つの作品をみんなで力を合わせて作るって本当にいいことだと思いました。最初はこんなに素晴らしい作品が出来るって思っていなくて、今日、病院で壁に掛けられたのをみると本当に感動しました。イエロー子羊隊と先生方と一緒に出来て本当に楽しかったです。』(廣瀬絢巴)





・そして、何よりもうれしかったのは
そして、何よりもうれしかったのは、患者さんが立ち止まって、私たちのホスピタルアートをじっと見て、喜んでくださったことです。
『本当にこんなにスゴイものができると思っていませんでした!みんなで何日も何日も頑張って、完成の直前はしんどくてぐちも言ったけど、壁に飾った時に、ここまで頑張ってきてよかったって思いました。
 病院でビラを配った時、作品を見てくれた方が「すごく心温まるものをありがとう」って言ってくださって、すごく感動しました!! この活動をやってすごく良かったって心から思いました。』(曽谷紗希)
『病院で見に来てくれたおばあちゃんが「いつも見に来るからね。心が温かくなった。」って涙ぐみながら言ってくれて、本当にやって良かったって思いました。ホスピタルアートはもっと広まるべきだと思う!私たちの作品を見て作ろうと思ってくれる人がいたらいいな。そして、心が温まってくれればと思います。』(福井真由子)





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