2004年度 記憶〜松蔭の思いを形に | ![]() |
![]() 期待と不安でいっぱいになりながら教室に入ると、私を入れて6人!1クラスほど参加者がいると思っていたので、最初は不安や心配が渦巻いたことを今でも覚えています。 まず、松蔭にいたことを具体的に何で表そうかとみんなで話し合うことから始めました。「イスを作ろうと思う。」と言うことになりました。ただ、「イスなんて6人じゃ無理。どうやって作るの?」と正直思いました。でも、意見を交わしていく度に、創作意欲が湧いてきました。最初は「すわる」とはどういう事か?から考え始め、やがて作るイスをデザインしていきました。和気あいあいと、時には1人1人思い描くイスのアイデアをぶつけ合いました。でも、6人だったからこそ、この雰囲気を作り、保つことができたのだと今は思っています。 次にデザインを考えました。色々とみんなで意見を出し合った結果、制服の胸にある松蔭マークの「SMS」の形の椅子に決定! Mの形を椅子にしてSの形は当初は机にすることにしました。!ただ、イスを作るには材料が必要で、6人では金銭的に難しいことを痛感しました。 |
そこで、私たちは、学校で出た粗大ゴミを再利用することにしました。 さっそく全員でゴミを拾いに行き、力を合わせてめぼしい物を掘り出していきました。ゴミ拾いがこんなに楽しく感じたのは初めてでした。6年間通っていながら、初めて粗大ゴミ捨て場を知りました(><;)結構使えるゴミが多かったです! 新しいものを買うのは誰にでも出来て簡単なこと。だけど、ゴミとして捨てられたものをどのように活かしていくかは難しいけど、とても大事なことだって思いました。 その次の週、今度は買い出しに行って、必要なもの獲得!そして製作を開始しました。材料が揃ったら、次はいよいよ、制作!Mの曲線部分2つと直線部分3つとに分けて作ることになりました。 ただ、部品の取り外しや電動のこぎりなど、力もいるし、姿勢を低くしないといけない作業ばかり。手も腰も痛かったです。 電動のこぎりや、やすりなど今回初めて使う道具ばかりだったので最初は、なかなかまっすぐに材木を切ることが出来なかったり、少しづつしか動かせなかったりしました。でも後半になるとみんな色んな道具に慣れていきそれぞれの道具のプロにまでなりました(笑) でも、ここでも6人がお互いを思いやり、交代して作業を続けました。大変だったけど、少しずつ形になっていった作品‥!!先生を含め、7人で作る楽しさを改めて感じました。 イスの脚を作る時にはいろいろ苦労しました。最初は古い椅子の脚を使って私たちの椅子の脚にしとうと思っていたのですが、なかなか高さが合わず、結局、1本の木を切り脚にすることにしました。 しかも、椅子への取り付けを、釘でせずに、木の真ん中に穴を開けて、脚にする木を差し込んでかます方法にしたのですが、これがとても大変でした。 サイズ通りに穴を開けたり、切ったりしているにもかかわらず、すんなり入らないので差し込む木をやすりで削ったり、穴を大きくしたりして入れていきました。やすりでけずりすぎたりするとガバガバになるので少しづつしたため、とても疲れました。でも釘で打つよりは頑丈なのでよかったです。 サイズを測るのにとても苦労しました。1mmでも狂ったら台無しになってしまう。いつもおしゃべりしながら作業を進めていたのに、この時だけはみんな沈黙……必死で測りました。 でも、座る度に、不安になるほどガタツキが出ていたので、浮いてる方の脚の下に木を足したりして、なんとかしっかり固定できました。仕上げには、脚を白くした方がいいと提案があったのでペンキで塗りました。 ただ、週1回という短い期間だけでは仕上げる事が出来ず、結局、追い込みの時には、卒業まで毎日のように集まって完成させました。 |
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組み立てた椅子に、クッションや真っ赤な布を椅子の形に切って、ホッチキスで留めていき、装飾としてボタンやレースなどをつけていきました。そして、出来ました!真っ赤な「M」の形の椅子! 最後は「S」の部分です。これを机にすること無理なことに気づいたので、針金でS字を作り、余った布とクッションを巻きつけて完成させ、棒につけて「M」の中に立たせることにしました。 目の前に出来上がった私たちと先生の力作を見た時、最初に「イスなんて作れない」と思っていた自分がウソみたいに感じました。本当に「M」に見えるのかと思いましたが、全部完成させて並べてみると松蔭マークそのものだったので感動でした。 みんなが頑張って作ったイスに、私は温かみを感じました。座り心地もとても良かったです。最後に希望の場所に運んでいき、記念撮影の後、椅子の裏に作った全員の名前をサインしました。 このチャレプロは私にとって「努力することの大切さ」「1人では出来なくても仲間と力を合わせれば達成できること」を教えてくれた。 講師室の前に私達が作ってくれたイスがあります。私達が松蔭にいたことを形に残すことが出来て、卒業しても自分達の頑張った思い出の結晶がいつまでも学校に残ることがとてもうれしいです。「壊されても知らないよ」といわれた時にも、少しでも多くの松蔭生に好かれて座ってもらえて壊れたなら、それはそれでとても嬉しいと思いました。内心は、出来るだけ大切に扱って欲しいですけどね。 このプログラムで一緒に頑張り、支えてくれた友達、そして私達のために体調が悪くても手伝ってくださった森川先生。陰ながら応援してくださった先生方に感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございました。 (以上、田邉阿有美・宮本佳織) |
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