2005年度 ホスピタルアート〜イエローアーツキャラバン隊

勉強会・テーマ決め

この日の様子は朝日新聞に取り上げられました。

こちらをご覧下さい。

「目標を掲げて、それに向かって困難を乗り越えて努力を重ね、最後には目標達成を果たす。みんなの力を合わせて、社会とつながり、社会に貢献しよう。」これは愛のキャラバン隊の趣旨ですが、このホスピタルアートもまさにその趣旨にそって長期にわたって活動を始めました。
グループの名前は、ボランティアの色を使って「イエローアーツキャラバン隊」!

ホスピタルアート(HA)って?


スタートは12月でした。校長先生が特別に激励に来てくださった後、NPO法人「アーツプロジェクト」の森口ゆたか様からホスピタルアートについてお話を伺いました。
皆さん、病院に入院した経験はお持ちでしょうか?たいていの人は身体の不調と不安を抱いて病院に行きます。その病院で暖かなやさしい絵が架けられ、緑豊かなコーナーがあり、ロビーでは美しい音楽が流れていたらどんなに心が穏やかになるでしょうか?……森口様はイギリスの病院で行われているホスピタルアートの例をスライドで丁寧に教えてくださいました。

今日のお話を聞いて、私は初めてホスピタルアートというものについて詳しく知りました。患者さんだけでなく、病院スタッフの方々にも癒しを与えられるというのはとても素晴らしい事だなと思いました。病気でない人までもがホスピタルアートを見たり聴いたりするために病院に来る、というのには少し驚きましたが、でもそれだけホスピタルアートには力があるんだと思いました。
完成するまでにはかなりの時間がかかるだろうし、大変な事もたくさんあると思うけれど、作品を見て下さる人達の顔を思い浮かべてみると、とっても楽しみです☆(福代千春)
ホスピタルアートってのは、ただ病院の壁が寂しいから、天井が寂しいからってだけの理由じゃないんだな!って今日のミーティングで知ることができました!自分ができる限りのことをしようと思います(゜▽゜)みんな頑張ろうねー(松本早希)

ちなみに、イエローアーツキャラバン隊では家にいても24時間いろんなアイデアを書き込んだりできるように、専用の黄色い掲示板が設けられました。(活動終了までには、アクセス2500回、書きこみ180回以上がありました。)上の生徒感想もその掲示板に書き込まれたものです。

森口様の話の後、まず、作品のテーマを決めることになりました。
ただ、この「テーマを決める」部分はこのプロジェクトでは非常に重要な意味を持っていました。(そのことには、作品制作中や完成時に多くの生徒が気付くことになっていきますが)
このプロジェクトの目標は、患者さんを癒すこと。そのためには、どのようなテーマやコンセプトで作品を作るのか。大事なのはプロのアート作家に求められる芸術的な完成度ではなく、考え。

そして、愛のキャラバン隊の一つとしてのこの大きなプロジェクを、生徒と一緒に取り組みながら監督制作していくことになったのが美術科の森川美樹先生。先生は今まで毎年チャレンジプログラムを担当して来られましたが、コンセプトを大事にしながら、松蔭生像や椅子を生徒と共に制作されてきました。

森川先生から渡されたプリントにはこう書いてありました。
「(松蔭生像や椅子は)ただ作ることが好きということで作っただけのモノ」ではない。「何をどういった目的で、どういう考えで表現するかといったコンセプトを参加者で話し合うことから始まり、共通理解を通じてその結果出来上がってきたモノ」である。(中略)今回は「アート」という一見目に見えにくい力が「社会」に貢献することができる。病院(ホスピタル)という場所で人々の心の内に起こる不安や孤独といったものの中にどれだけの灯をともせるだろうか。…味気ない世界に、松蔭生の元気なパワーを放出して欲しい。「ただ作る」ということだけで終わらないで欲しい。今年度は学内をとび出してパワーアップしたこのプログラムを経験し、松蔭を巣立っていく貴女たちにさらに大きな視野を持って卒業していって欲しいと思う。


テーマは『楽しい』


そして、その後、みんなでテーマを何にするか。話し合いました。いろんな意見が出ましたが、結局テーマは『楽しい』に決まりました。そのテーマには、患者さんたちが足を止めて笑顔で私達の作品を見てくださればと言う願いが込められていました。

森川先生からは、さらに二つのことが告げられました。
一つは、今回の作品が、神戸労災病院のロビー吹き抜けに垂らされるフェルトのモビールで、寸法は高さ4メートル、縦横2メートル近くの大作だということ。
もう一つ告げられたことは、冬休みのミッション。ミッションとは訳せば「使命」。宿題とか課題というのではなく、君たちに任せたという意味が込められていました。ミッションの内容は、こんな内容でした。


ア) ホスピタルアートの話や、テーマに関するディスカッションをふまえ制作物のデザインのイメージ画を企画書(別紙)にかいて各自1月10日に持参する。※この時まで誰にもこの企画書(イメージ画)を見せてはならない。ネット上の専用掲示板による情報交換のみ許可。
イ) 企画書のイメージ画を言葉に置き換えて「ミッション完了」という題名で、どんな相手にでも伝わるようわかりやすく文章化して1月9日までに掲示板に書き込む。
ウ) 必ず1度はイ)以外に自分の考えを書き込み、仲間の書き込みに対しても必ず1度は反応をしましょう。離れていてもお互いの共通理解をはかれるのが掲示板の良い所だと思います。有効に活用しましょう。
チャレプロノートというノートも与えられました。ここに、考えたことをどんどん書いていくわけです。

その後、イエローアーツキャラバン隊全員で、実際に神戸労災病院に行ってみました。長いエスカレーターを2本上ったところに大きな吹き抜けがありました。そこで、みんな7メートル上の吹き抜けを見上げて、それぞれが作品をイメージしました。作品は2月27日、このロビーで、ホワイトミュージックキャラバン隊のロビーコンサートでお披露目されると言うことでした。

イエローアーツスタートですね!!なんだか楽しくてわくわくします☆
病院って白くて静かなイメージでしたが、外国にはあんなにカラフルでにぎやかな病院があるんですね!その方が入院している患者さんたちにも活気が溢れてきそうだし、作るほうも楽しいと思います!!
テーマも「楽しい」になったことだし、人を楽しませるにはどうすればいいのかを徹底的に追求して、誰かの役に立てる自分を発掘したいです!!(南愛)