ちなみに、イエローアーツキャラバン隊では家にいても24時間いろんなアイデアを書き込んだりできるように、専用の黄色い掲示板が設けられました。(活動終了までには、アクセス2500回、書きこみ180回以上がありました。)上の生徒感想もその掲示板に書き込まれたものです。
森口様の話の後、まず、作品のテーマを決めることになりました。
ただ、この「テーマを決める」部分はこのプロジェクトでは非常に重要な意味を持っていました。(そのことには、作品制作中や完成時に多くの生徒が気付くことになっていきますが)
このプロジェクトの目標は、患者さんを癒すこと。そのためには、どのようなテーマやコンセプトで作品を作るのか。大事なのはプロのアート作家に求められる芸術的な完成度ではなく、考え。
そして、愛のキャラバン隊の一つとしてのこの大きなプロジェクを、生徒と一緒に取り組みながら監督制作していくことになったのが美術科の森川美樹先生。先生は今まで毎年チャレンジプログラムを担当して来られましたが、コンセプトを大事にしながら、松蔭生像や椅子を生徒と共に制作されてきました。
森川先生から渡されたプリントにはこう書いてありました。
「(松蔭生像や椅子は)ただ作ることが好きということで作っただけのモノ」ではない。「何をどういった目的で、どういう考えで表現するかといったコンセプトを参加者で話し合うことから始まり、共通理解を通じてその結果出来上がってきたモノ」である。(中略)今回は「アート」という一見目に見えにくい力が「社会」に貢献することができる。病院(ホスピタル)という場所で人々の心の内に起こる不安や孤独といったものの中にどれだけの灯をともせるだろうか。…味気ない世界に、松蔭生の元気なパワーを放出して欲しい。「ただ作る」ということだけで終わらないで欲しい。今年度は学内をとび出してパワーアップしたこのプログラムを経験し、松蔭を巣立っていく貴女たちにさらに大きな視野を持って卒業していって欲しいと思う。 |